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白丹波埦 市野雅彦: 8. 5cm : 14. 0cm12. 5cm 1980 1995 5 19861988 1961 1981 1988 2015 1995 1998 NHK 1999 2000 2001 2002 ( ) 2003 2004 2006 2005 () 2007 () ) 2008 Life & Art ) ) 2009 2010 2011 () 2012 Life & Art ) 2013 ) 2014 ) 2015 2016 UTUWA LIXIL 12 2017 110 2018 2020 2021 TAMBA 2022 ()
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高さ : 8.5cm 幅 :14.0cm×12.5cm

市野雅彦様の作品の「白丹波埦」は、白を基調としながら黒い斑点模様がアクセントとして浮かび上がる、シンプルながらも奥深い美しさを持つ茶碗です。この作品は、手に持つと不思議と馴染む感触があり、使う人に心地よさと安心感を与えます。それだけでなく、見た目の美しさも併せ持ち、特に茶陶の世界において高度な造形美を追求する市野様の技術と感性が凝縮されています。市野様の作品は、茶陶の伝統的な枠組みの中で、ぎりぎりの造形を見せ、茶の湯の制約を守りつつもその限界に挑戦するものであり、その姿勢がこの茶碗にも強く反映されています。

茶陶における「制約」と「挑戦」 茶陶は、茶の湯に使用される器であるため、一定の制約が存在します。実用性を重視しながら、同時に鑑賞の対象となる美しさも求められるのです。しかし、この「制約」は、茶陶作家にとって、単なる枠組みではなく、独自の美学や芸術的表現を追求するための挑戦でもあります。市野雅彦様は、その制約を十分に理解しつつ、それを破らずに最大限の表現を引き出す作品を生み出している作家です。「白丹波埦」は、そのような創作姿勢が明確に表れた一品であり、実用的な茶碗でありながらも、鑑賞者の目を楽しませる美的要素が随所に込められています。

市野様は、茶陶の世界で評価されるための伝統的な価値観を重んじながらも、そこにとどまることなく新しい造形美を追求しています。「白丹波埦」のシンプルなデザインには、手に取った際の感触や、茶の湯の場面での使い勝手を考慮しつつ、非常に緻密に計算された美が息づいています。この作品は、ただ茶を飲むための器としての役割を果たすだけでなく、使用する人にとって特別な存在感を放つ作品です。

市野雅彦様の作陶の変遷  作陶活動は、1980年代後半に本格的に始まりました。当初、自身の意図を明確に反映した作品を作り上げるために、土の特性を徹底的にコントロールし、表情までをも執拗に作り込みました。その後、市野様の関心は、フォルムから模様へと移り、作品全体における模様と造形の関係性を探求するようになりました。この変化は作品の進化を物語っており、茶陶という枠にとらわれず、より自由な表現へと向かう道筋を示しています。

一躍注目を浴びたのは、1995年の日本陶芸展で大賞・秩父宮賜杯を受賞した《開》という作品です。この作品は造形美への飽くなき探求と、土の持つ自然な特性を最大限に活かした表現が融合したものです。この受賞を機に、市野様の名前は広く知られるようになりましたが、進化はその後も続きます。常に新しい領域に挑戦し続け、既存の枠を超えた作品を生み出すことに努めています。

丹波焼の伝統と家族の影響  丹波焼の名工である父・初代市野信水の背中を見て育ちました。丹波焼の伝統を受け継ぐ一方で、市野様自身は大学で陶芸を学び、卒業後、今井政之に師事しました。そこで学んだのは、「駄目な土はひとつもない」という教えです。これは、土の特性を理解し、それを最大限に活かすことができれば、どのような土でも素晴らしい作品を生み出すことができるという哲学です。今井政之のもとで約5年間修行した市野様は、土作りから窯出しまでの細部にわたる作業に携わり、土の特質に合わせた焼成方法を学びました。

1986年に帰郷した市野様は、父のもとで轆轤や窯焚きの技術を学び、1988年には独立して大雅窯(後に大雅工房と改名)を築きました。この頃から、全国的な陶芸公募展への出品を始め、少しずつ評価を得ていきました。やがて、日本陶芸展での大賞受賞を機に、その名は国内外に広がり、市野様の作品は広く知られるようになりました。

「白丹波埦」に込められた美学  作品における美学の中心には、土の持つ自然な力を引き出し、それを人間の技術と感性でコントロールするという哲学があります。特に「白丹波埦」では、白と黒のシンプルなコントラストが際立ち、見る者に強い印象を与えます。轆轤による成形において、市野様は土が自然に成ろうとする形を尊重しながらも、自身が求めるフォルムへと導くという独自の技術を駆使しています。この微妙なバランスが、「白丹波埦」において見事に表現されており、その独自のフォルムは、伝統的な茶陶の枠を超えた美を感じさせます。

茶陶の未来を見据えて 市野雅彦様は、伝統を守りながらも、常に新しい表現に挑戦し続ける作家です。傑作は、茶の湯の世界における実用性を超え、現代の陶芸に新たな視点を提供しています。「白丹波埦」もその一例であり、茶陶の未来を見据えた作品として、使用する者や鑑賞者に深い感銘を与えます。

市野様の作品は、伝統と革新、技術と自然の力が融合したものであり、その美しさは時代を超えて愛され続けるでしょう。茶陶の世界で、彼の挑戦と探求はこれからも続き、次々と新たな境地を切り開いていくことでしょう。「白丹波埦」は、そんな市野雅彦の創造力が凝縮された一品であり、茶陶の枠を広げた象徴的な傑作と言えます。

市野雅彦様 陶歴
1961  兵庫県丹波篠⼭市に⽣まれる
1981  嵯峨美術短⼤陶芸科卒業
今井政之⽒(⽗・初代信⽔)に師事
1988  独⽴し、⼤雅窯を築く (2015 年より⼤雅⼯房に改名)
1995  ⽇本陶芸展 ⼤賞 ・ 秩⽗宮賜杯
1998  NHK やきもの探訪展 (⽇本橋⾼島屋、 東京他)
1999  海外巡回・⽇本の陶芸展 (国際交流基⾦主催、 南⽶巡回)
 ⽇本の⼯芸〈今〉百選展 (三越エトワール・パリ、 ⽇本橋三越他)
2000  茶の湯―現代の造形展 (ヘルシンキ市⽴美術館・フィンランド)
 国際陶芸交流展 (中国美術館・北京)
 兵庫県芸術奨励賞
2001  アジアのアート展 (ケイティ・ジョーンズギャラリー、 ロンドン)
2002  アジア国際現代陶芸展 (台北県⽴鶯歌陶芸博物館、 台湾)
2003  現代韓⽇陶芸展 (錦湖美術館、 韓国ソウル)
2004  ⼭陽・⼭陰路の現代陶芸展Ⅴ (東広島市⽴美術館)
2006 2005  年度⽇本陶磁協会賞 (銀座・和光にて記念展)
2007  兵庫の陶芸-いま、ここに何かが在る (兵庫陶芸美術館) 
  パラミタ陶芸⼤賞展 準⼤賞 (パラミタミュージアム、 三重)
  現代陶芸への招待-⽇本とヨーロッパ (兵庫陶芸美術館)
  神⼾市⽂化奨励賞
2008  現代の陶芸−Life & Art−陶で彩る (東広島市⽴美術館)
  光州ビエンナーレ⽇韓現代陶磁器展 (韓国⺠族博物館)
2009  滋賀県⽴陶芸の森にて招聘作家として作品制作
2010  現代の茶−造形の⾃由− (菊池寛実記念智美術館、東京)
  現代⼯芸への視点−茶事をめぐって (東京国⽴近代美術館⼯芸館)
2011  現代陶芸の地平を拓く (兵庫陶芸美術館)
  現代⼯芸アートフェア (東京国際フォーラム)
  茶陶-造形と意匠にみる現在性 (ギャラリーヴォイス、 岐⾩)
  兵庫県⽂化賞
2012  現代の造形−Life & Art−ふれる器 (東広島市⽴美術館)
2013  現代陶芸〜表現の在りか〜 (東広島市⽴美術館)
  陶芸の森アーティストインレジデンス20年の歩み(滋賀県⽴陶芸の森)
2014  アイデンティティとオリジナリティ (兵庫陶芸美術館)
2015  茶-今⽇のしつらえ (札幌芸術の森⼯芸館)
  近代⼯芸と茶の湯 (東京国⽴近代美術館⼯芸館)
  著名作家招聘事業・市野雅彦‐軌跡、丹波にて (兵庫陶芸美術館)
2016  うつろのかたち−市野雅彦・陶展 UTUWA (パラミタミュージアム、三重)
  ⼟のおもむくまま-市野雅彦展 (LIXIL ギャラリー、東京)
  近代⼯芸と茶の湯Ⅱ(東京国⽴近代美術館⼯芸館)
  焼締―⼟の変容展(国際交流基⾦、国外 12 ヵ国巡回中)
2017  三越美術 110 周年 HORPS 次世代百選展(⽇本橋三越本店)
  茶陶の現在―2018 萩(⼭⼝県⽴萩美術館・浦上記念館)
2020  国⽴⼯芸館⽯川移転記念展-⼯の芸術-素材・わざ・⾵⼟
  (国⽴⼯芸館、⽯川)
2021  丹波から TAMBA へ−市野雅彦展(緑ヶ丘美術館、奈良)
  近代⼯芸と茶の湯のうつわ-四季のしつらい-(国⽴⼯芸館)
2022  未来へつなぐ陶芸 伝統⼯芸のチカラ展(国⽴⼯芸館ほか)
 − パブリックコレクション −
 東京国⽴近代美術館、 兵庫陶芸美術館、 東広島市⽴美術館
 滋賀県⽴陶芸の森、 ⽥部美術館(島根)、 丸沼芸術の森(埼⽟)
 緑ヶ丘美術館(奈良)、 独⽴⾏政法⼈・国際交流基⾦
 ブルックリン美術館(⽶国)、 ニューオリンズ美術館(⽶国)
 クロッカーアート美術館(⽶国)
 ロサンゼルスカウンティ ラクマ(⽶国)

白丹波埦 市野雅彦

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